⑧ 豚も食えないような食料(一食はわずかばかりのドングリ粉とぬかに水を入れてつくったまんとう一こ)で、中国人たちを馬のようにはたらかせ、見ていれば、いまにものめりそうになってシャベルにすがるものには、六尺棒がうなりをたてました。
「キサマラー、捕虜のぶんざいで仕事をなまけるか!」
鹿島組の現場カントクにけりあげられ、血をはいてそのまま動けなくなったものもありました。
「すこし、やすませてくれ」
「なに!ろくに働きもしないくせに。お前にはもう食べものはやらな いぞ!」
「食べものを食べさせないなんて死んだほうがよっぽどましさ」
「よし
、死んだほうがましなら殺してやう!」