E 花岡駅のところでは、中国人を乗せた輸送列車を1時間も前から待っているのは鹿島組、同和鉱業、警察、憲兵などで、ぎっしりとつめかけていました。
列車が到着し、降りるとき、軍人が押したので中国人が「どさあ」と一度にころがりました。するとカントクが
「なにをしている!早く立ってならべ!」
「なにもさもさしてやがるんだ!」
「二列に並べ!早くならばないやつはこれをくらうんだ!」
「ピシャン」
そして花岡駅を出ようとすると、たくさんの人が見ていました。町の人たちは、この人たちを一目見るなり、ひざがブルブルふるえてきました。首すじからはたえずアカがポロポロはげ落ち、すじの見える手はカイ
センにお
かされ
、たまらなくひどいにおいがしてきます。