③ 戦争は早く終わるどころが、ますますはげしくなり秋田の花岡鉱山はますます戦争のために大事なものとなり、毎日のように、ぞくぞくと見知らぬ人がきました。
鉱山に古くからいる鹿島組は、百姓、学生、商人や朝鮮人をむかえいれ、つれてこられた女の人たちは「女子挺身隊(じょしていしんたい)」と名づけられ、地獄(じごく)のような熱さの穴ぐらのなかで、上半身はだかになってトロッコを押しました。トロッコのしりを押していると、しまいには手がつっぱり、足がつっぱって身動きもできないほどになりました。
ちょっと体を休めながら、
「おどう、早く帰ってこねべがー」
「おどう、元気だべが。顔みてなー。」
と、話し合っていると
「やいやい、何をしているんだ!こればっかしの仕事でへこたれたまねしやがると、ただじゃおかねえぞ!」
カントクの酒やけしたこわい顔がみえます。