⑨ 中国人はひもじさのあまり、ふみつけられたリンゴの皮を食い、道ばたのツツジやアカシヤ、ヤナギの葉をあさり、毒草とわかっていながらそれを食べて死んでいった人もいる。
 配給の食料はカントクたちが横どりし、彼らがふとるだけ、中国人はやせていったのです。
 「なにか食べるものを、食べるものを・・・」
 こういいながら、何人も死んでいった。
 このみじめなありさまをみて、同情する工夫やおかみさんたちもいました。あるとき、カントクのいないるすに配給のカンパンや草だんごを自分の弁当から分けてやりました。中国人たちは涙をいっぱいうかべ、手を
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にぎりしめて何度もお礼をいいました。