31  竹 や り
「武器もつとる
「身のほどしらねえ 
チヤンコロめ」
「ぶつころせ」
---将校らの さるまね 手まね
役人 地主めらわ おらだちの心さ
毒気ぶつこんだ
おらも おめえも
やつらの 口車さ まんまと のり
竹やりかつぎ 刀ぶんぬき
身ふるわせて 山さ わけいり
部しよさ ついた



     32  朝 鮮 人
将校らと会社わよ
日本人の労働者を山がりさ
かり立てた
朝鮮人がたわ うむをいわさず
坑内さとぢこめた
うしろぐらい やつらに
あの人がたわ
「ふていの やから」
いつ火がつくことだか
---解放のばくだん



  33  山 が り の 訓 示
しこまれた とおり 立ちならぶ
在郷軍人 よくさん青年団
婦人会 消防団
将校わ軍刀ぶんぬき わめきたてた
「関東しんさいのときの 不てい鮮人のごとく
中国の
ホリヨわ ぼう動をたくらみ
すでに 陛下の赤子数名をざん殺した
やつらわ りやくだつ 放火 殺人
ぼうどうのため 手だんをえらばぬぼう徒である
諸子はただちに 配ちにつけ」



   34  い で た ち
電話線をひきちぎつた
武器をうばつた
出 発
一時 ちつて
また あつまるときをかせぐため
山にむかえ みのりある山え
くらやみを足ふみしめ ふみしめ
解放のうたごえわ とおい海鳴り
あの人がたわ ちつていつた



   35  秋 葉 山 え
主力部隊わ 南え 大館え
   だす だす だす だす
   だす だす だす だす
銃身わ 星をうつし
スコップわ 夜つゆにしめり
あの人たちのまなこわ しつかりと
みひらき
秋葉山え
秋葉山え



   36  秋葉山の石合戦
あきば山さ わけいつた中国の人がたの
ふりかざしたあの手 さけんだあの声
おら達 労働者 農民に
よびかけの合図で なかつたベカ
“ともに起て 日本人民の解放に---]と

けん兵 巡査 資本家 地主らに
ケシかけられて
おらだち あの人がたさ 石ぶつけた
わら わら わら・・・・・・と
山の上からも 石がぶつとんでくる
おらだち あの時 兄弟ちげえになつた
“くそつ 
チヤンコロ くたばつちまえ”・・・・・・と

よくまア 二日もつずいた石合戦よ
かなし 中国の人がた
病みつかれた 人がた
ふりしぼる解放の歌声わ たえないが
とんでくる石わ だんだん力がなくなり
ま夏の青葉のさわぎも なえていつた

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