6  七 つ 館 の ら く 盤

ラクバンだあ
七つだてが落ばんだあ
マリみてえに 鉱夫がすつとんでゆく
「父親 けえしてけれ!」
「わしらの骨だけでもけえしてけれ!」
どよめきあって 泣いて ねがうアッパがた
それに会社の奴らなにをした
あとにも さきにも
いれい祭のときの ほんのめくされ金だけよ
いきうめになった22人の
骨わいまだに それつきり
44年の5月のことだ

だす
この山がもうかるうらにわ
地のそこのむかしからの骨が
ないている
ノス



7  たたかった朝鮮のひとがた
朝鮮のはたらき人---
百姓がたも 徴用されてきた

その半島のひとがたサ
とうとうだまつておれずになつて
みんなで事務所さおしかけて
「きゆう金はふやせ
「はい給ばまともにやれ
おらだち こころの中で ウンと手をたたいた

なんぼ朝鮮のひとがた ど胸のええことか
みんなどうにも できずにいたときよ
あんまりひどい あつかいに
徴用工も どんどん 夜にげするように
なっていたどもな




     8  きんろう報国隊
あかがねのとれる この山
火薬のもともとれる この山

いくさのときわもう
ハア 気ちがいじみた
ごつたがえしよ
あね
もしよつぴかれ
学生がたもしよつぴかれ
町の商人のだんながたもしよつぴかれ
みんなしよつぴかれて くらしわめちやくちや
そして大けえこえでおどかされたことわ---
「くにのためだ」 おまえたち しんだかくごせえ



    9  三 本 の 汽 車
まいにち まいにち この花岡の地のそこの
鉱石はこぶ汽車といれちがいに
花岡の地のそこえ 人間はこぶ 汽車がとおる
土地ぬすみとられた百姓がた
家業けえした商人

かせいでも かせいでも 食れなえひとがたを
花岡の地のそこさ
くたばるまでかせがせるため
はこんでやつてくる汽車だ


そのうちでも おらだちのわすれていけねえのわ
あの三本の汽車
中国の
ホリョがたを はこんできた汽車
    1回 1944年7月
    2回 1945年5月
    3回 1945年6月



 10  中国人がたどうして
      花岡
きたか(1)
中国のホリヨのはなしだ---

おれわ破かい工作のとき
日本軍につかまつた
ほおりこまれた収容所にわ
子どもから としよりまでも3,000人のなかま
国をぬすむうらぎりものに
いじめぬかれた
毎日20人ずつわ 死んでいつた
女という女わ日本鬼にはずかしめられ

二度のコウリヤンめし
この人数にたつた一つの井戸
そのひもじいこと
いりつくように かわくこと




 11  中国人がたどうして
      花岡
きたか(2)
ある日 貨車につめこまれ---
車にわ北京行きとかいてあつた
いきつけぬほど 押しつめられて
よわいなかまわ 着くまでに死んでいった
おれたちも くるまのすきまから
ふなのように 空気をぱくぱくやつた
じぶんの小べんものんだ

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