七ツ館弔魂碑前で77年前の犠牲者を慰霊
 一行は、信正寺境内に建つ七ツ館弔魂碑に移動し、朝鮮人犠牲者の氏名(創氏改名で日本人名となっている)を確認する。
 尹僧侶が準備した供物を碑前にととのえ、焼香。読経のなか朝鮮人11人、日本人11人の犠牲者を供養した。
 崩落事故の原因や遺体の措置などの質問について、茶谷さんから丁寧に説明が行われた。    
 10月29日、駐仙台大韓民国総領事館の副総領事・李昌勲(イ・チャンフン)、秘書・梁祐宗(ヤンウジョン)と僧侶の尹寂光(ユン・チョクコアン)さん一行3名が、花岡鉱山七ツ館事件の65・70周年周年追悼会で実行委員長をつとめた茶谷十六氏の同行で大館市を訪れた。旧小坂鉄道・花岡線の大館駅址に建設された「秋田犬の里」で待ち合わせ、少し遅れて、在日本大韓民国民団秋田県本部の事務局長・呉俊煥(オ・ジュワン)さんが到着し、旧花岡鉱山の娯楽施設であった共楽館址地(解体後、花岡体育館が建設される)に向かう。
 共楽館は、1945年6月30日の深夜に蜂起、脱出した中国人労働者が全員捕らえられて収容され、館内で首謀者探しで拷問を受けた建物であった。現在は、敷地内の一角に共楽館址碑が建立されており、碑文を読むと花岡事件の内容が大筋理解できる内容となっている。
 続いて、信正寺裏に建つ華人死没者追善供養塔に向かい焼香、尹僧侶が読経のなか手を合わせ、中国人犠牲者の冥福を祈る。

 信正寺前は道路を隔てて中国人労働者が従事させられた花岡川が流れている。花岡事件の唯一の物証である。
hanaoka08.html

     七ツ館弔魂碑で犠牲者の氏名を確認する一行