フィールドワーク
花岡事件
2024年8月22日、秋田大学生11名が社会科巡検で大館市花岡の地を訪れ、「花岡事件」のフィールドワークを行いました。約2時間かけて8ヵ所を案内し、後日、全員から感想文が寄せられましたが、2名の方の感想を紹介します。
大館市花岡巡検を通して
(案内者 庄司、畠山、齋藤)
秋田大学
N・E 私は福島県出身で、元々秋田県で起こった花岡事件について何も知らなかったのですが、花岡事件の現場を実際に訪れることで、当時の悲惨な状況や犠牲者たちの苦しみがいかに
深刻であったかを強く感じました。現場に立つと、戦時中の強制連行によって多くの中国人労働者が虐待や過酷な労働条件に耐え、最終的に命を落とした事実が、単なる歴史上の出来事としてではなく、非常にリアルで痛ましいものとして胸に迫ってきました。写真や資料を基に説明してくださったため、ここでこのようなことがあったのかなどとてもリアルに感じることができました。とても分かりやすい説明で紹介してくださり本当にありがとうございました。
このような経験を踏まえて、私はこの事件を学校の自動生徒にも伝えていかなくてはならない内容だと考えました。そのため、来年に予定されている附属小学校、中学校の授業づくりにおいて私は今回学んだことから特に3点を重視したいと考えます。
1点目は、歴史の教訓を伝えるということです。花岡事件のような歴的な悲劇を、単なる過去の出来事としてではなく、現在と未来に生かすべき教訓として伝えるために、事件の背景や原因、そしてその後の影響について深く掘り下げていきたいと思っています。
2点目は人権教育の強化も取り入れたいと思います。花岡事件は、人権がいかに容易に侵害されうるかを示す 象徴的な 出来事です。この事実をもとに、人権の重要性や他者への尊重、差別や不正義に対する敏感さを育むという社会的なことも取り上げて授業を行いたいと考えています。戦争や差別、強制労働などに関する他の歴史事例も具体的に取り上げ、広い視野で人権について学ぶようにできたらより現実的に学べるのかなと考えております。
3点目は現地学習の活用です。現地でしか分からなかったことを大事に、授業作りをしていきたいと考えています。例えば、実際に話を聞いたことから学んだことを大事にしていくことも大事だと思いました。現地学習を通じて、教科書や資料からだけでは得られない感覚的な理解を深め、歴史に対する意識を高めたいと考えています。
これらの考えを基に、学生が花岡事件を含めた歴史を学ぶことで、より豊かな人間と社会への責任を育むことができる授業を展開したいと考えています。
最後になりましたが、今年の巡検調査で花岡事件を取り上げた意義はとても大きいものだと改めて実感したので
、責任をもって授業を作りたいと思います。
ありがとうございました。